依存的な人の心理と振り回されない対処法
コンサルティングやセラピーを提供する
個人起業家、専門家のみなさんにとって、
「依存的なお客様への対処法」は一つの大きな課題だと思います。
関わっていてエネルギーが大きく消耗するのも、
ほぼこのタイプのお客様ではないでしょうか。
今回は、依存的なお客様の心理と振り回されない対処法をお伝えします。
目次
依存的な人の心理
依存的なお客様には、「強い自己否定」と「恥の意識」があるので、
取り組むべき自分の人生の課題から逃避する手段として
短絡的に幸せ感を得る手段として
「愛情」や「地位や名誉」や「お金」を得ようと、
あなたやあなたのサービスに依存しようとします。
「もっとかまってほしい、どんな自分を出しても相手にしてほしい」
愛情に依存する人には愛情のコンプレックスがあり、
「もっと認めてほしい。一番弟子などの称号がほしい」
地位や名誉に依存する人には地位や名誉のコンプレックスがあり、
「もっと楽に稼ぎたい」
お金に依存する人にはお金のコンプレックスがあります。
本来はお客様がこの人生の課題に、自分のリアルな人生の中で
向き合っていかなければ、コンプレックスは解消せず、
人生は本質的に好転していきません。
依存的な人に関わるとエネルギーが消耗する理由
依存的なお客様は、あなたのサービスによって、
向き合うのが辛い自分の人生から脱出できると、信じて、
自分の足で歩こうとはせず、あなたの背中に乗っかるように寄りかかっているので
思うような成果、結果が出なかったときに、
あなたやあなたのサービスのせいにしようとすることがあります。
お客様の人生の課題であるコンプレックスが解消されていないのに、
心から満足する成果や結果が出るはずありませんから、
専門家であるあなた自身も、
「このお客様は良くならない、うまくいかない」、
しかも「成果がでなければ自分のせいにされる」と
わかりながら関わっています。
つまり、お客様との関わりが根本的に不毛なので、
あなたのエネルギーが消耗するのです。
依存的な人への対処法
それでは、依存的なお客様へはどのように対処すればよいのでしょうか。
自分の役割を知る
コンサルティングやセラピーは、依存的な人を救う為や、
お客様に代わってあなたがお客様の課題に取り組む為に存在するのではありません。
お客様を主体者として専門家のあなたはサポートの立場をとりながら、
お客様自身が意識、習慣、行動を変え、成長し、新たな生き方の基盤を作るものです。
今一度、自分の専門家としての役割を見つめ直してみてください。
現実を受け入れる
あなたの中にも、「もしかするとこのお客様は一発逆転で変われるかもしれない」
とファンタジックに考えてしまっている部分があるかもしれません。
まず、お客様が自分のコンプレックスと向き合い、受け入れない限り、
魔法のように根本的に成功することなどありえませんので、
お客様の現実から逃避せずに受け止め、
本質的に役に立てないのであれば、サービス提供を依頼されても断ることをおすすめします。
断ることも、お客様への愛情です。
境界線を引く
お客様の課題はお客様の課題であって、あなたが自分ごとのように取り組むべきことではありません。
また、依存的なお客様から依存されると、自分には不利益なことしか無いのに、なぜかお客様を特別視してしまったり、
このお客様のことを頭の中でよく考えてしまっているようであれば、
あなた自身がこのお客様に少し依存してしまっているかもしれません。
このような共依存の状況に陥っていると気づいたら、
自分の弱さとして受け止め、しっかりと境界線を引き、距離をとりましょう。
執着しない
依存的なお客様は、あなたのアドバイスを聞いているようでいて、
実のところ自分を認めてほしいだけなので、
あなたから望むような言葉や態度が得られなくなると、
同じような専門家を渡り歩き放浪する傾向があります。
お客様が離れていっても、落ち込むことなく、
そのお客様と自分の為の最適な結果であればOKとし、
今後は依存的な人が来ないように、自分自身の心と言葉、行動を整えていきましょう。
コンサルティングやセラピーの本来の目的
コンサルティングやセラピーは、
お客様の生きるべき現実を地に足ついて生きる為の
知恵を得る関わりであって、
向き合うべき人生から逃避して
「他者のような成功」を手に入れたり、
「別の自分に一瞬で変わる」ための方法ではありません。
『結局、自分のことしか考えない人たち』サンディ・ホチキス著(草思社)には、
このように書かれています。
『ときどきこの世は、思いやりなどまるでなく、
自分のために相手を利用しようとする、自分本位な人であふれかえっているように見える。
彼らは、自分の欲求は他人の欲求より重要で、
何事も自分の便宜がはかられて当然と考える。
思い通りにならないと、暴君のように怒り狂ったり 気の毒なほど落ち込んだりする。
そのため、波風を立てないほうが無難に思えて
彼らの欲求に応じてしまうことも多い。
わたしたちはみな、そのような人を知っている。
自分の親や兄弟や子供かも知れない。
配偶者や恋人や友人、同僚や上司、あるいはクラブや会のメンバーかも知れない。
彼らはどこにでもいて、彼らの人生とわたしたちの人生が絡み合うほど、惨めな気持ちにさせられる。』
また本書では、依存的な人々のことを「自己愛人間」と呼び、7つの特徴を持つと書いています。
■自己愛人間の7つの大罪
1,恥を知らない
2,つねに歪曲し、幻想をつくりだす
3,傲慢な態度で見下す
4,ねたみの対象をこき下ろす
5,つねに特別扱いを求める
6,他人を平気で利用する
7,相手を自分の一部とみなす
依存的なお客様を想像すると、心当たりがあるのではないでしょうか?
まとめ
依存的なお客様の心理と振り回されない対処法をお伝えしました。
「どんな方でも、お客様は大切にしなければならない」と思うかもしれませんが、
誰にでも「Yes」を言うことがお客様を大切にすることではありません。
特定のお客様によってエネルギーが消耗してしまうと、
本来のあなたの理想のお客様に良質のサービスを提供することができなくなってしまうので、
あなたを待つ理想のお客様の為にも、プロ意識をもって、自分を律し、
関わる人の管理をしていくことをお勧めします。